2026年2月 低学年の学習プランについて
【受験本番への意識と残り2週間の過ごし方】 本セミナーは、主に現在小学3年生(新4年生)の保護者を対象に、2月から始まる「中学受験カリキュラムの本番」に向けた準備を目的としています。寒さが厳しくなる1月は、6年生にとっての受験本番の季節であり、3年生にとっては「あと3年で本番」という意識を持つべき時期です。塾の新学年が始まるまでの「残り2週間」は、単に勉強を始めるだけでなく、正しい「学習習慣」や「勉強のやり方」を身につけるための絶好の機会と位置づけられています。【長期的な視点での学習基盤の構築】 この時期に重要なのは、最初の1〜2ヶ月で正しい学習習慣を確立することです。ここで身につけたスタイルが、その後の3年間の成績に大きく影響します。セミナーでは、4年生からの3年間を見据え、今年1年間で安定して成績を伸ばすための具体的な方法論や、親子の関わり方、各教科のカリキュラムの特徴を解説し、親子で無理なく受験生活のスタートを切れるようにすることをゴールとしています。
下記のチェックをクリックすることで、今月のチェックポイントを個別に動画・要約で確認できます。
必要だと思ったものだけでもよいので、1つでも多く取り入れて頂くことで、より良い学習習慣を習得することが可能です。
動画の内容をすぐに読んでいただけるように「要約」もつけておりますので、こちらも合わせてご参考ください。
▢チェック1 お子さんとスケジュールを作る練習はできていますか?
【「親主導の完璧な予定表」の弊害】 多くの父親がやりがちな失敗例として、Excelなどで15分刻みの完璧なスケジュール表を作成し、それを子供に一方的に与えるケースが挙げられます。これを受け取った子供は、最初は義務感で取り組むものの、次第に「嫌だ」という感情が芽生え、実行できなくなると自己嫌悪に陥ります。最終的にはスケジュールが全く守れなくなるリスクが高いため、親だけで予定を作ることは避けなければなりません。
【子供を巻き込んだスケジューリングの手順】 スケジュールは「子供自身が作った」と思える演出が重要です。いきなり未来の予定を立てるのではなく、以下のステップで進めることが推奨されます。
1. 実績の記録から始める: まずは「今日やったこと」を1週間分書き残します。余白だらけでも構いません。
2. 翌週の予定をざっくり立てる: 記録を見ながら、「来週の月曜にはこれをやろうか」と相談し、時間を決めずに内容だけをメモします。
3. 実行と修正: 予定通りにいかなくても叱らず、「今日はもう寝て、残りは明日にしよう」と柔軟に修正します。
【塾開始後の調整期間】 塾が始まると疲労で予定通りに進まないことが多いため、最初の1〜2ヶ月は「修正を重ねてスケジュールを完成させる期間」と捉えます。最初は「食後1時間」程度のざっくりした時間設定から始め、徐々に精度を高めていくことが、3年間続く学習の土台となります。
▢チェック2 4年生の1年間何をするか、知っていますか?
【算数:螺旋状のカリキュラム構造】 4年生の算数は、1学期に学んだ内容が2学期以降の基礎となる「積み上げ型」です。例えば、第12回の「間の数(植木算)」の概念を理解していないと、第14回の「等差数列」が理解できません。また、1学期の「約数・倍数」は、2学期の「異分母分数の計算」に直結します。つまり、ある単元をおろそかにすると、その後の単元で必ずつまずく構成になっているため、毎週の学習を確実に消化することが極めて重要です。
【国語:読解の型の習得】 国語のテキストは、物語文と説明文が交互に繰り返される構成になっていますが、単に同じことを繰り返しているわけではありません。「場面の想像」から「心情の理解」へと、読み取りのレベルが段階的に深まっていきます。家庭学習では、授業で習った「読み方」について親子で会話することが大切です。また、読解力の基礎となる「語彙力」を高めるため、漢字や熟語、慣用句などの知識学習は毎日コツコツ行う必要があります。
【理科・社会:物語としての理解】 4年生の理科・社会は、単なる暗記ではなく「物語」や「現象の原因」を理解することに重点が置かれています。
• 社会: 都道府県や地図記号などの暗記要素も増えますが、気候と暮らしの関連性などを理解するテキスト構成になっています。
• 理科: 昆虫や天気など身近なテーマから始まりますが、物理分野(電気やバネ)や天体(月の動き)は苦手とする子が多いため、概念の理解が重要です。 塾が始まる前の2週間で、テキストの説明部分や写真・図版を読み、「面白そうだな」と興味を持たせておく予習が推奨されます。
▢チェック3 ノートの書き方・授業の受け方をお子さんに教えたことがありますか?
【授業を聞く姿勢の徹底】 小学校と塾の授業の最大の違いは「スピード」です。塾の先生は話すのも板書も速いため、以下のルールを子供に教える必要があります。
1. 先生が話している時は書かない: 書くことに集中すると話を聞き逃します。話が終わったタイミングや「書いていいよ」と言われた時に素早く書くようにします。
2. 先生の顔を見て聞く: 表情や身振りも含めて情報を受け取ることで、記憶に残りやすくなります。
3. 分からなくても止まらない: 途中で不明点があっても、そこにこだわらず一旦横に置き、先生の話を聞き続けることが大切です。
【ノート作成の基本】 ノートの左上には必ず「日付」「テキスト名」「ページ数」を書かせます。これがないと、復習時にいつの学習か分からなくなります。最初は板書の「丸写し」で十分です。また、先生の雑談や自分の感想など、勉強に関係ないことを書き留めることも、記憶の定着を助けるため推奨されます。字が乱雑な場合は、5mm方眼ではなく、少し大きめの10mm実線入りのノートを使うなどの工夫も有効です。
▢チェック4 計算の「苦手」との付き合い方を知っていますか?
【暗算と数字の保持能力】 低学年(小1・小2)では「10の補数(足して10になる数)」の感覚や、簡単な2桁の暗算を鍛えることが重要です。一方で、新小4(小3)においては、筆算に頼りすぎず、「2桁×1桁」程度の計算を暗算で行う訓練が効果的です。これは単なる計算練習ではなく、繰り上がりの数字などを頭の中に一時的に留めておく「数字のワーキングメモリ」を鍛えるためです。
【書き写しミスの防止】 高学年になっても「計算結果は合っているのに、解答用紙に書き写す際に数字を間違える」というミスが多発します。これは短期記憶の弱さが原因です。これを防ぐため、計算問題をノートに書き写す際、何度も問題を見返すのではなく、一度見た数字を覚えて一気に書き写す練習(視写の回数を減らす訓練)を行うことが、ケアレスミスを減らすことに繋がります。
【九九の総点検】 新4年生であっても、九九に苦手な段(特に7の段など)が残っている場合があります。ランダムに質問したり、答えに詰まったら前の数に足し算をして導かせたりして、九九の不安要素を完全に払拭しておく必要があります。
▢チェック5 文章の「苦手」との付き合い方を知っていますか?
【読書量と会話の関係】 「本を読まないから読解力がない」と心配する親御さんは多いですが、読書量が少なくても読解力は伸ばせます。塾のテキストには大量の文章(素材文)があるため、それをしっかり学習すれば量は補えます。それ以上に重要なのが「親子の会話」です。家庭内の会話量を増やし、子供にたくさん話をさせることが読解力の土台となります。
【大人びた会話の実践】 子供扱いせず、あえて難しい言葉(熟語や慣用句)を使って話しかけることが推奨されます。子供が面白い言い回しや正しい助詞を使えた時には、「すごい言葉を知っているね」「今日は主語があって分かりやすい」と具体的に褒めます。会話の中で自然に語彙を増やし、話すこと自体を楽しいと感じさせることが、結果として文章を読み取る力に直結します。
▢チェック6 子供と親の時間を1日「最低30分」確保できていますか?
【「認める」ための観察時間】 共働きで忙しい家庭でも、1日最低30分は子供と向き合う時間を確保してください。この時間は「監視」や「叱責」のためではなく、子供を「観察」し「認める」ために使います。
1. 勉強以外の話から入る: 学校での出来事や遊びの話など、子供が話したいことをまず聞きます。
2. 褒めるための観察: 勉強中は、姿勢の良さや、取り組んでいる事実を認めます。「字が汚い」と叱るのではなく、「姿勢がいいね」と褒めたついでに「字も丁寧だと嬉しいな」と添える程度に留めます。
【具体的な進捗確認】 学校の宿題(特に音読)や塾の課題の進捗は確認する必要がありますが、これも「やっていないことを叱る」のではなく、「ここまでやったんだね」と肯定的に捉えることが大切です。兄弟がいる場合は、それぞれに時間を割くか、勉強場所を工夫(壁に向かわせるなど)して集中できる環境を作ります。
▢チェック7 クラスを上げるなどの目標のために、無理な勉強をしていませんか?
【4年生の成績の罠】 4年生の学習内容はまだ分量が少ないため、宿題を何周もさせたり、無理やり丸暗記させたりすれば、一時的にテストの点数を上げることは可能です。しかし、これは「終わらせればいい」「覚えればいい」という質の低い学習習慣(やっつけ仕事)を植え付けることになり、5・6年生になって内容が高度化した際に通用しなくなります。無理な先取りや詰め込みでクラスを上げようとすると、長期的には成績が下がる原因になります。
【「納得」と「注意力」を育てる】 4年生の時期に最も大切なのは、点数よりも「分かった!」「なるほど!」という納得感を味わわせることです。また、近年の入試問題は複雑な条件整理を求めるものが増えているため、普段の生活から「人の話を最後まで聞く」「条件を注意深く読む」といった「注意力」を養うことが、将来の得点力につながります。目先のクラス分けテストに一喜一憂せず、半年・1年先を見据えた長期的な視点を持つことが親には求められます。
各塾の学習ポイントのチェック
SAPIXの2月の学習ポイント
四谷大塚/早稲田アカデミーの2月の学習ポイント
日能研の2月の学習ポイント
浜学園の2月の学習ポイント
まとめ
【今やるべきアクションプラン】 本セミナーの総括として、新4年生(現小3)の家庭が塾開始までの2週間で取り組むべきことは以下の通りです。
1. テキストの予習: 算数の例題を数問解いてみる、国語の文章を読んでみる、理社の説明部分を眺めるなど、新しい学習内容に触れておきます。テキストが未着の場合は、市販の「予習シリーズ」などを活用するのも有効です。
2. スケジュールの練習: 完璧な計画を立てるのではなく、「記録」から始めて「修正」を繰り返すプロセスを親子で練習し、1〜2ヶ月かけて生活リズムを作っていきます。
3. 長期的な視点の維持: テストの点数やクラス変動に動じず、子供が「自ら考えて納得する」学習スタイルを確立することを最優先にします。無理な暗記学習は避け、子供の成長を見守る姿勢が、最終的な合格への近道となります。