2026年1月 6年生の学習プランについて

本セミナーは、入試直前の12月を迎えた6年生の保護者が、残り1ヶ月という限られた時間で「最速・最高効率」で子供の点数を引き上げるための具体的な手法を学ぶことを目的としています。この時期は親子ともに不安がピークに達しますが、その不安を「何をすべきか」という具体的な行動に変えることが合格への近道です。模試の結果に一喜一憂するのではなく、実際の入試本番で合格最低点を1点でも上回るための「得点力」に直結する戦略を、心の持ち方と学習法の両面から解説します。


▢チェック1受験校は本当に決定しましたか?

受験校を完璧に決定し、一度決めたら親が絶対に迷わないことが、子供の精神安定に直結します

偏差値の幅とリスク管理: 併願校との偏差値の幅は「10」確保できているかを再確認してください。入試は当日の体調や問題の相性によって結果が左右されるため、この幅が子供にとって「ここなら合格できる」という心の拠り所になり、第一志望に果敢に挑む勇気を与えます。

午後入試のシミュレーション: 近年厳しさを増す午後入試については、午前中の試験終了から午後の会場到着までの移動時間を、親が実際に歩いて確認するなどの準備が必要です。

親の覚悟: たとえ第一志望が偏差値的に厳しくても、直前に「やっぱりやめようか」と迷う姿を子供に見せてはいけません。親の迷いは子供の集中力を削ぎます。「今から頑張れば大丈夫」「今からが本番」という前向きな言葉をかけ続けることで、最後の一ヶ月の逆転劇が可能になります。

▢チェック2 出願書類は既に、隅まで目を通しましたか?

出願書類の精査から当日の持ち物まで、事務的なミスが受験の障害にならないよう、細心の注意を払う必要があります。

出願情報の徹底精査: Web出願の形式、写真サイズ、志望理由の有無など、7校から8校受ける場合は膨大な作業量になるため、早めに目を通してください。特に慶應系など志望理由が重視される学校は、塾の先生に添削を依頼するなどの慎重さが必要です。

支払いと発表の連携: 合格発表と他校の入学金振込期限が重なるケースも多いため、「母は合格発表の確認、父は銀行で待機」といった家族内での作戦会議も欠かせません。

当日の持ち物とトラブル対応: 鉛筆の予備、消しゴム2個、スリッパの有無などは、前日ではなく余裕を持って確認します。万が一、受験票や上履きを忘れても、慌てて取りに帰るのではなく、学校の事務局に相談すれば解決する場合がほとんどであることを知っておくと、落ち着いて対応できます。

▢チェック3 弱点対策に集中しすぎていませんか?

12月以降、苦手単元の学習に時間をかけすぎることは、4教科合計の点数を下げる「裏目」に出るリスクがあります。

時間配分の黄金比: 弱点補強に割く時間は、全体の学習時間の3分の1以下に留めるのが鉄則です。苦手ばかりをやり続けると子供は自信を失い、得意教科に割く時間が減ることで、全体的な得点力が低下してしまいます。

範囲の限定と質の追求: 対策する範囲は「志望校に出る可能性が高いレベル」に絞り込み、塾の先生や家庭教師に相談して「ここまではやる、これ以上は追わない」という境界線を引いてもらってください。

一問の確実な理解: 多くの問題を雑に解くよりも、問題文の条件に丁寧に線を引く、誰が誰を追い越すのかといった状況を正しく把握するなど、一問を確実に正解に導く「丁寧さ」を重視させましょう。複数の教材に手を出すのではなく、信頼できる1冊を完璧にすることが得点に繋がります。

▢チェック4 得意教科・得意単元が手薄になっていませんか?

直前期こそ、得意教科や得意単元の学習を優先し、確実な得点源に育て上げることが重要です。

精神的メリットの活用: 「解ける」「丸がつく」という経験は、子供に「もしかしたら合格できるかも」という前向きな気持ちを抱かせ、ストレスの大きい時期の支えになります。

得点源のメンテナンス: 「3ヶ月前に覚えたから大丈夫」という子供の言葉を鵜呑みにせず、知識の抜けがないか適宜確認を行ってください。算数の数の性質や場合などの複雑な問題は、やり方を確認するだけでなく、実際に手を動かして書き出し、重複や漏れがないかチェックする「作業」を怠らないようにします。

過去問の有効活用: 第一志望の過去問(2回目)に取り組み、得意な大問で確実に満点を取れるかを確認させることで、実戦力を強化し、自信を確固たるものにします。

▢チェック5 「基礎のやり直し」に完璧を求めすぎていませんか?

計算ミスや基礎的な失点を恐れるあまり、際限なく基礎を遡って復習するのは避けるべきです。

遡る範囲の制限: 不安な問題から遡るのは**「1つ手前のステップ」まで**に留めてください。例えば速さが苦手だからといって、分数計算、さらに公約数・公倍数まで遡りすぎると、学習範囲が膨大になり、この時期の子供の処理能力を超えてしまいます。

30分ルールの徹底: 基礎の復習は1日30分程度を目安にし、応用問題を解くための気力を残しておくことが大切です。

作業の重視: 暗算に頼ってミスをするのではなく、正解を出すための手順を丁寧に踏むことを意識させます。入試は結果の点数だけで判断されるため、どんなに考え方が正しくても、計算ミス一つで不合格になる厳しさを、作業の徹底という形で指導します。

▢チェック6 過去問2回目のやり方を知っていますか?

過去問の2回目は、点数そのものよりも「解き方の質」を高めるために活用します。

実施のタイミング: 答えを覚えているのを防ぐため、1回目から1ヶ月以上の間隔を空け、できれば1月に入ってから実施するのが理想的です。

点数への向き合い方: 2回目だからといって満点を目指す必要はなく、合格者平均点が取れれば十分です。むしろ「解けたはずの問題」で失点していないか、どの手順を抜かしたから間違えたのかといった「失点の理由」を子供自身に理解させることが重要です。

学校特有の「癖」を体に染み込ませる: 過去問と全く同じ問題は出ませんが、形式や思考の深さ、頻出単元(立体図形が多い、速さが必ず出るなど)といった学校ごとの「癖」を理解し、その波長に合わせる意識を養います。

▢チェック7 教科ごとの時間配分を見直していますか?

直前期の勉強時間は、これまでの「算数重視」から、**「最も短時間で点数が上がる教科」**へとシフトさせる必要があります。

理科・社会の追い上げ: 算数で5点上げるのには多大な努力が必要ですが、理科や社会なら1週間の暗記で10点上げることが可能です。この時期は4教科の比率を「1:1:1:1」に近づけ、知識の詰め込みを行う方が効率的です。

漢字の徹底確認: 社会などでは、知識があっても漢字で書けなければ失点するため、最後の一週間まで漢字の確認を怠らないでください。

専門家への相談: どの教科に時間を振り向けるべきか迷った場合は、塾の先生や家庭教師に「この子の状況でどこが一番伸び代があるか」を相談し、4教科合計での最大得点を目指すプランを作成してください。

▢チェック8 入試当日朝のイメージトレーニングはできていますか?

年明けから始まる試験に向け、朝起きてから試験開始までの流れを詳細にシミュレーションし、当日の過剰な緊張を和らげます。

具体的なイメージ: 「2月1日の朝5時、まだ外は暗く、部屋は寒い」といった情景から、電車の混雑状況、同じカバンを持ったライバルの姿まで、できるだけ具体的に想像させます。

脳のウォーミングアップ習慣: 試験会場で初めて文字や数字を見るのではなく、自宅で計算2問と、少し難しめの社説などを読んで「脳が動いている状態」で家を出る練習を始めましょう。

別れの場面のシミュレーション: 校門で親と別れ、一人で教室に入り、荷物を置いてトイレに行くまでの流れを親子で話し合っておくことで、当日の不安が驚くほど軽減されます。一度想像したことがある光景は、本番での「落ち着き」を生む鍵となります。

▢チェック9 全問正解を目指そうとしていませんか?

満点を目指すのではなく、**合格最低点を確実に超えるための「足し算」**を子供に示してください。

目標の明確化: 合格者平均を目指して焦るのではなく、まずは合格最低点(公表されていない場合は受験者平均と合格者平均の中間)を目標にします。

具体的な得点計画: 「あと15点足りないなら、理科で10点、算数の小問をあと1つ正解すれば届くよ」という風に、具体的に示すことが大切です。

成功の予感: 「あとこれだけでいいんだ」と子供が感じたとき、それは「成功の予感」となり、爆発的な集中力を生みます。残りの期間で埋められる現実的な差を提示し、子供のやる気を引き出しましょう。

▢チェック10 年末・年始の「休み」の適量を知っていますか?

年末年始は、親子ともに溜まった疲れがピークに達する時期であり、意図的なリフレッシュが必要です。

休息と勉強の両立: 冬期講習や正月特訓で休みなく勉強させるのではなく、子供が「煮詰まっている」と感じたら、半日程度の休息を設けてください。元日も半日は勉強(特に計算練習)をし、残りの時間は初詣などで気分を一新させるのが理想です。

生活習慣の維持: 睡眠時間は絶対に削らず、むしろ1月に入ったら意識的に長めに取るようにしてください。15分程度の散歩や縄跳びなどの軽い運動は、脳の血流を良くし、学習効率を高めるのに非常に有効です。

精神的お守り: 否定的な言葉は封印し、お守りや信頼する先生からのメッセージをポケットに入れるなど、子供が試験会場で「独りじゃない」と感じられる心の拠り所を用意してあげてください。

各塾の学習ポイントのチェック

SAPIXの1月の学習ポイント

四谷大塚/早稲田アカデミーの1月の学習ポイント

日能研の1月の学習ポイント

浜学園の1月の学習ポイント

まとめ

直前期の1ヶ月は、子供にとって一生忘れられないほど濃密な時間となります。模試の結果が出ない不安な時期だからこそ、親は子供に笑顔を見せ続け、「今からが本番だよ」と励まし続けてください。

中学受験の最後の一ヶ月を乗り切ることは、いわば**「濃い霧の中を走るマラソン」のようなものです。どこがゴールか分からず不安で立ち止まりそうな子供に対して、親が「合格最低点」という名のゴールテープ**をはっきりと見せ、適度な休息という給水ポイントを設けてあげることで、子供は最後の最後まで力強く走り抜き、勝利を掴み取ることができるのです。